デーメル -Demel -


ウィーンの数あるカフェハウス、カフェ・コンディトライの中で、私たちが真っ先に訪れたのは、
あの皇妃エリザベート(シシイ)もお気に入りだったと云う、「デーメル」。

1786年開業のハプスブルク家御用達のカフェ・コンディトライ。

カフェ・コンディトライとは、カフェスペースのある洋菓子店のこと。
ここではケルナリンと呼ばれる女性スタッフが接客を担当するのがしきたりなのだそうです。

ちなみに、カフェハウスは、給仕は黒服の男性(ケルナー)がお決まり。


さて、ここ「デーメル」は観光客にとても人気があるのは、有名ですよね。
というわけで、長蛇の列になる前にと、一足早くお店に向かいました。

「デーメル」のあるコールマルクト通りは、素敵なお店がたくさん並んでいるので、誘惑が
いっぱいなのですが、少し中を覗いて行きたいな~。。と、そんな思いに駆られながらも、
一心に、「デーメル」に向かったのでした。

到着すると、やはり行列にはなっていましたが、それほど待たされずに順番がきました。







あの部屋の席になったらいいな~。。と思っていた席に案内されたので、
うれしくてついうっかりしていたのに気づいて、ケーキが並べられたショーケースまで戻り、
食べたいケーキをいくつか選んで伝票に書いてもらい、その伝票を持って行き、担当の
テーブルの係りに渡しました。飲み物のメランジェも頼んで、これで注文はOK!






そうなのです。こちらではほとんどのカフェハウス、カフェ・コンディトライ等の
ケーキの注文の仕方は、先にショーケースからケーキを選んで伝票に書いてもらい、
その伝票を自分のテーブル担当の係に渡すというシステム。

慣れないと、戸惑ってしまいますよね。私もウィーンに来る前に本で何度も予習して行った
はずなのに、いざ店内に入ると感激と緊張とで、そんないろいろが吹き飛んでしまいました。。

とりあえず無事注文を終えて、二人ともほっとしました。






19世紀末のカフェハウスを彷彿させる優雅な造り。








さあ、目の前にお待ちかねのケーキが運ばれて来ました!

ひとつは有名すぎるほど有名な、「ザッハートルテ」。
(生クリームは別途注文で付けることもできます。)

ふたつめは、林檎を甘く煮たもの(コンポート)やたぶん、ペースト状のケシの実が入っているケーキ。
これが、中でも私のいちばんのお気に入り♪
本当に美味しかったです。


そしてもうひとつ、甘酸っぱいストロベリーとスフレタイプのチーズケーキ。
こちらも雑誌か何かで見たのですが、おすすめのケーキだそうです。

3つとも、とても美味しかったので、二人であっという間にペロリです!
ウィーンに来て、初のメランジェ(いちばん定番のコーヒー)もおいしかった☆






1786年創業 王宮御用達として王侯貴族に愛されてきた。
「デーメルを訪れずしてウィーンを語るなかれ」と云われるほど。












ティータイムを終えてショップを覗いていると、その様子を彼が写真に撮ってくれていました。
あとで写真を見てみると、品物を選んでいる後ろ姿とか、カメラ目線ではない
本当に自然な姿で写っていて、こういうのはなかなか意識してしまうと撮れない
さりげないシーンなので、帰国後あらためて見て、なんだかとてもうれしかったです。

この後も旅行中、街を何気に散策している姿とか、自分では撮れないうしろ姿とか、
呼ばれて振り返った顔とか、そういう自然な表情をこっそり?!たくさん撮ってくれていたのでした。
(ありがとう♪)

















チョコレートや砂糖菓子など買っていきたいものが
いっぱいあったのだけど、ウィーンで数日過ごした後、
チェコでも数日間過ごすので、計10日間以上の日程になるので、
涼しいとはいえ、一応夏なので、溶けないか心配で。。諦めました。





「デーメル」に来れてよかったと思えたのは、とても美味しいケーキを味わえたということと、
もうひとつ、思いがけないうれしいことがありました。

それは、ちょうど順番待ちしているところに、ティータイムを終えて出てくる女性3人組のお客様と
すれ違いました。その中のお一人が、私を見て、私の洋服の上から下まで指でなぞるようにして、
うれしそうに笑顔で何かをおっしゃってくださったのです。

ほかのお二人も頷いてこちらを見ています。突然のことでびっくりしましたが、
何度もしてくださるそのジェスチャーやニュアンスで、おっしゃってくださったことがわかりました。

私のこの日の装いを、とても素敵だと褒めてくださったのです。

そんなふうに仰ってもらえるほど、特別豪華におしゃれして行ったわけではなかったので、
なんだかちょっぴりはずかしかったのですが、褒めていただけるのは、
(それも見知らぬ国で)、やっぱり素直にうれしいですね!

ちなみにこの日の装いは、「デーメル」のあと王宮(ホーフブルク)に向かう予定だったので、
エリザベートの時代を感じるようなノスタルジックなスタイルで行きたいと思い、選んだのが、
首元までアンティーク調の総レースになっている清楚でクラシックなワンピースでした。


海外ではこういう事がよくあると聞いてはいたものの、
まさか、私がそんなこと言ってもらえるなんて思ってもみなかったです。


あちらの国の方たちは、すてきだと思ったことは、直接その本人にストレートに
伝えるのだそうです。日本ではなかなかこういうことないですよね。。


私も出来る限りの言葉で、ありがとうの気持ちをお伝えしました。


その日は、緊張の糸が少しほどけて、一日中とても清々しい気持ちで過ごすことができました。


そうそう、それに朝から少し肌寒いくもり空だったのですが、王宮を見学し終わって、
外に出ると、さっきまでの天気がうそのように青い夏空が広がっていたのですよ。

まるで、私の心を映し出すかのように。。






* 「デーメル」と表記すべきか、「デメル」とすべきか迷ったのですが、ウィーンに関する旅行雑誌、
カフェハウス・カフェコンディトライ関連の本の多くが「デーメル」と表記されていたので、
こちらでもそのようにさせていただきました。













   ツェントラル - Central -


王宮(ホーフブルク)の見学を終えて、外でたくさん写真を撮っていると、
空が晴れて陽射しが出てきました。

ちょっと冷たい飲み物が飲みたくなって向かったのは、「ツェントラル」。
かつて芸術家たちも通いつめたと云う、フェルステル宮殿内にあるカフェ。





「ツェントラル」の近くにある有名なホテル。
装飾が素敵すぎます!









ちょうど目の前を、フィアカー(観光馬車)が通り過ぎたところ。











午後になって陽射しも出てきたので、ほかの観光客の方々も思うことは同じで、
「ツェントラル」に着くとやはり長蛇の列。でもスムーズに回転していたので、並ぶことに。

ここでもそれほど待たずに店内へ。







大理石の柱といくつも連なる壮麗なアーチ型の天井に見とれてしまいます。
フランツ・カフカやアルテンベルクなど多くの文豪に愛されたのだそう。










「ツェントラル」で、ぜひ飲んでみたかったアイスカフェ。見た目もステキ☆
それと私用にケーキも。ショーケースから彼が選んでくれました。






爽やかなパッションフルーツのムースのケーキは、軽やかな甘さでとても美味しかったです♪













席もちょうど、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリザベートとの肖像画の目の前だったので、
写真も撮りやすくて、他のお客様も席を立って写真を撮りにやって来ていました。

彼が私の写真を撮ったりしていると、私たちのテーブル担当のウェイターさん(イケメン!)が、
一緒に写り込もうとポーズをとったりして、とてもフレンドリーで楽しかったです。















ティータイムを終えてから、すぐ近くのフェルステル宮殿内の美しいアーケードのある
フライウング・パッサージュまで歩いて、噴水の前で写真を撮りました。



気候もお天気も良くて、とても良い気分♪
さあ、これから午後の予定もたくさんあるので、先を急ぎます。